「アンジェ――Angers―― 」  石崎明子

アンジェ――Angers――   石崎明子

土曜日はいつも雨
アンジェの雨は音もなくふる
きこえるのは ただ 木の葉のざわめきだけ
こまかな雨が 立ち並ぶ家々を
石畳の路地を 木々を
しっとりとしめらせていく
ぬくもったへやの中で
横文字の小説にかじりついている私
ときおり外を眺めては
あした天気になあれとためいきをつく
おりしもへやを満たすはショパン
雨のプレリュード
そうだな でも雨はきらいじゃない
こころが静かになるから

日曜日はいつも晴れ
ひだまりに誘われとびだした
フォッシュ通りを右に折れ
公園のベンチでうとうとおしゃべり
安息日の中心街はひとけもなく
お店はみんな閉まっている
平日にまたいらっしゃいね と
飾り窓の小熊がウインクした
知らない道を探検しようと
迷い込んだはジャンヌダルク通り
背の高い楓の並木道に
遅い午後の光が斜めに射し込む
道ゆく人はみな
黄色い落ち葉に埋もれて歩く
うん 私 お日様がすきだな
世界を
より美しく見せてくれるから

天使――Ange(アンジュ)と響きが似る街の
ある週末のお話



 無事にAngers(アンジェ)に着きました。
 寮には、カトリックのシスターが2人います。Angersはきれいで古風なところです。むらさきいろに紅葉している木があちらこちらにあります。冬は零下になるらしいのですが、今のところは暖かい日やら寒い日やらが交互に来ている感じです。
 そして、Angersの土曜日は必ず雨で、日曜日は必ず晴れです。今年はじめからAngersにいる人も「だいたいそう」と、言ってました。土曜日はあちらこちらで市が立つし、お店も開いているし、次の日も休みだし、遊びに行きたいのに、雨が降って寒々しくなって、仕方ないから宿題をして、日曜日はいー天気でお散歩に行くんだけど、カフェ以外は閉まっています。
 ――Angersはそういう街みたいです。
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