2016年09月の記事 (1/1)

9月例会のご案内と8月例会のご報告

9月例会のご案内
日時 9月25日(日)13時~16時
場所 吉備路文学館

内容
 「民主文学」の合評
   10月号 「ゆうたのこと」瀬峰静弥
         「ある謝罪」稲沢潤子
   9月号 「観察映画『牡蠣工場』」笹本敦史

8月例会のご報告
8月28日(日)9時半から12時半まで、吉備路文学館で例会を開催しました。
参加は妹尾、石崎、井上、笹本で、会員ではありませんが福山の瀬尾さんがゲストとして来られました。

「まがね」58号の合評
(詩)
「母を 生きる」 野中秋子
・いろいろな詩があっていいのだろうが、散文的で詩らしくないと感じた。
・親子の関係は様々だが、こんな生き方がいいと思った。
・個人的なことを文章にし、それが他人に読まれることはすばらしい。
・最後の決意に少し危うさを感じる。

「尺取虫よ」 北杏子
・命の大切さ、愛おしさを描いた良い作品だと思う。
・「オリオン、サソリ・・・」の部分に詩的イメージを感じる。

「宍道湖のしじみと戦犯天皇」 北杏子
・詩としては評価できないが、いろいろ議論できる内容を持っている。

「柿の木のある窓辺で」 石崎徹
・短い詩でリフレイン(繰り返し)は過剰ではないか。
・窓辺での男女の描写が良い。
・語感が良い。
・貫いているのは男女の不一致感だと思う。
<作者より>
・感想を聞いて、この短い作品でリフレインは問題かなと感じた。

「S画伯の回想~老女の巻」 妹尾倫良
・時制がわかりにくい。
・老女の話と父親の話が入っているところに無理がある。
・作者の他の作品との関連を感じる。
<作者より>
・戦争体験を聞き書きしている。
・破天荒な生き方をしてきたS画伯をどう表現しようかと悩んだ。

(書評)
「竹内久美子『そんなバカな! 遺伝子と神について』」 石崎徹
・前半の、本の内容を紹介した部分はわかりやすいが、後半の批判部分は不十分。
・文章には切れがある。
<作者より>
・売れた本なのでと思って書いたが、読んでない人にはわかりにくかったと思う。

随想について感想を出し合いました。
 説明不足のところや読点の打ち方などの指摘がありました。


受贈紙誌
「瀬戸文学通信」VOL.243(呉支部) 「流域」第25号(埼玉東部支部)
「弘前民主文学」156号(弘前支部) 「欅」35号(多摩東支部)
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石崎 徹「柿の木のある窓辺で」(まがね58号)  植田与志雄

石崎 徹「柿の木のある窓辺で」(まがね58号)  植田与志雄

 詩など、普段は読むこともないのでこういうのを読んでもさっぱりわけが分からないんですが、「たぶん」と「もちろん」に興味を引かれました。
 ここに惹かれたのは技術者根性かもしれません。不確実と確実、両端が並んでいるところに興味が……。
 近くのものに、つまり生活に興味のない男、何を探しているのか、あるいは何かを探しているのかどうかもあやふやな男、だからすべてが「たぶん」なのだろう。
 女は近くのもの本位、つまり生活本位、愛するに足る生活があるのだろうけれど、生活なんだからあやふやさはなくて、生活に根を持つ愛なのだから「もちろん」というほど確かなものなのだろう。
 窓辺のテーブルでの食事、たわわな実をつけた柿の木、すべての好ましいものが手の届く近いところにある、山も空も近くにある。
 好ましいものが近くにあることを実感しているのは女なんだろう、男は女の視線を通してこれらを見て、好ましいものが近くにあることを女に寄り添うことで察しているのだろう。
 だから自分の感覚ではなく、女の実感に同意して、そうだねと言う。だから最後に先ず女が生活を愛していることが確認されて、次にそれに男が同意しつつも、やはり自分は何かを探し続けている、何を探しているのかもあやふやなまま……たぶん。
 男と女は異なる軌道を辿っているけれど、この詩のように一瞬だけ交わることがある。交わるけれど、それは一瞬でたがいに同化することはない。そこがいいんですよね!!
 最後にこのことを確認するために初めの順序を逆転させて二行が繰り返される。
 交わるけれど同化しない、のは自治会活動での人間観察からも感じるのです。
 ドミソは互いに自分の音は確かに持っていることで和音を形成する。各個が同化せずに自己を保つことでハーモニーが生まれる。
 同化を求めず交差を求める、交差の瞬間に何かが光る。
 民主主義は間違えると同化を求めるけれど、要注意。

 詩はどう解釈しても自由とのことなので、こんなこと考えたという報告です。