8月例会のご案内と6月例会、7月例会のご報告

8月例会のご案内
日時 8月20日(日) 13時~16時
場所 吉備路文学館 2階 研究室

内容 まがね59号の合評
   「来年の春」 長瀬佳代子
   「結婚願望相談所」 井上淳
   「桜の花が咲く頃」 桜高志


6月例会のご報告
 6月11日(日)13時から吉備路文学館で例会を行いました。参加は妹尾、長瀬、石崎、井上、笹本でした。
 「まがね」59号の編集作業を行いました。

民主文学6月号の合評を行いました。
「崖の上の家」風見梢太郎
 一連の作品の後日譚で、いつものようにわかりやすい良い文章で書かれている。過去の活動を振り返りながら、若い世代に引き継げる可能性を示して終わっていて作品としてまとまりがある。
 作品の問題ではないが、共産党の活動家として生きてきた人が結構豊かな生活をしていると感じられ、引っかかる読者もいるだろうという意見があった。
 丁寧でわかりやすい文章であることの裏返しではあるが、主語(私)が多すぎる、また描写で説明しすぎていると感じるところがあるという感想もあった。描写はどこまでが必要かということについては意見が様々出された。

 また同じ号の「鬼が棲む家」(高沢英子)、「うんまいなあ」(杉岡澄子)について、事実に基づいて書かれたと思われる、ストーリーとは関係ない描写が作品世界を膨らみのある良いものにしているという感想が出された。


7月例会のご報告
 7月16日(日)13時から吉備路文学館で例会を行いました。参加は妹尾、石崎、桜、井上、笹本でした。
 「まがね」59号の配本と発送作業を行いました。

「民主文学」8月号の合評を行いました。
「巨艦の幻影」 倉園沙樹子
 登場人物が個性的で、展開とともに意外な面も見えておもしろく引き込まれた。
巨大戦艦「壱号艦」の建造に関わり、工員としても国民としても模範的であろうと努めている主人公だが、「壱号艦」が進水式もせずにひっそりと海に出たことに寂しさを感じる。海軍に入隊した長男が「壱号艦」の乗組員に抜擢され名誉なことと喜んでいた折、日本がアメリカに宣戦し、歓喜が湧き上がる。
そんな主人公の心が、子どもの頃世話をした親戚の男が特高に虐殺されたのを見たこと、まじめな長女が従軍看護婦になって戦地へ行くと言いだしたことなどによって揺らぐ。
 主人公が出征兵士の壮行会に向かって「だまされちゃあいけん」と叫ぶラストシーンは極端すぎるように感じるが、そこに至る心の揺らぎがよく書けている。特に妻が次男を諭す場面が秀逸で、主人公との意識のずれが明らかになって興味深い。

受贈紙誌
 道標165号(岡山詩人会議) 野火13号(東久留米支部) 文学なにわ28号(なにわ支部)
 東京南部ニュース566号567号 支部月報406号407号(仙台支部)
 東くるめ通信No.70(東久留米支部) 流域通信174号(埼玉東部支部)
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「まがね」59号を発行しました。

まがね59 
 前号から1年2カ月ぶりの発行となりました。
 お問い合わせはメールフォームからお願いします。

創作
「来年の春」 長瀬佳代子
「結婚願望相談所」 井上淳
「桜の花が咲く頃」 桜高志
「消えた子」 妹尾倫良
「アンジー」 笹本敦史
戯曲「はーるよ来い」 前律夫

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「太陽讃歌」 妹尾倫良
「化粧について」 妹尾倫良
「興奮すること」 北杏子

随想
石崎徹 宇垣信子 長瀬佳代子 妹尾倫良

7月例会のご案内

7月例会のご案内
日時 7月16日(日) 13時~16時
場所 吉備路文学館 2階 研究室


内容
 「まがね」59号の配本及び発送作業を行います。
 民主文学8月号の合評
   「巨艦の幻影」 倉園沙樹子

6月例会のご案内と5月例会のご報告

6月例会のご案内
日時 6月11日(日) 13時~16時
場所 吉備路文学館

内容
 「まがね」59号の編集作業
 「民主文学」7月号 合評
   「崖の上の家」 風見梢太郎




5月例会のご報告
 5月28日(日)13時から吉備路文学館で例会を行いました。参加は妹尾、長瀬、井上、原、笹本でした。
 「まがね」59号の校正作業の後、民主文学新人賞佳作作品の合評を行いました。

「亡国の冬」岩田素夫
 父親が治安維持法違反で連行された一家で、病弱な母親を支えて生きる子どもたちを描いている。
すでに敗色が濃厚な中での理不尽な状況だが、子どもたちがいきいきとしており、読ませる。
 まじめに、よく書けており、文体も戦時中の雰囲気をうまく表現している。
 ただ、展開上は父の死からが唐突に感じられる。登場人物が多いこと、視点が一定していないこともあって、人物関係がわかりにくいという意見があった。


「銀のエンゼル」野川環
 リストラ、妻のガン宣告、長女の引きこもりという八方ふさがりの状況に追い込まれた主人公の苦悩を描いている。
 三つの不幸のエピソードそれぞれはよく書けており、物語展開からは人間への信頼が感じられる。
ただ三つの不幸を重ねるのはやり過ぎで、リアリティを削いでいると思える。また長女については引きこもりと不良行為を混同しているのではないかという意見もあった。
 文体について、「一ミリも含めずに」などの口語表現が地の文で不用意に使われているところが気になるという感想があった。



受贈紙誌
 支部月報405号(仙台支部) 流域通信第173号(埼玉東部支部)
 東くるめ通信NO.69(東久留米支部) 東京南部ニュース第565号(東京南部支部)

5月例会のご案内と4月例会のご報告

5月例会のご案内

日時 5月28日(日)13時~16時
場所 吉備路文学館 研修室

内容
民主文学新人賞佳作作品の合評
「亡国の冬」岩田素夫
「銀のエンゼル」野川環
(民主文学6月号)
あわせて「まがね」59号の編集作業(校正)を行います。

4月例会のご報告

 4月22日、吉備路文学館で例会を開催しました。参加は妹尾、石崎、井上、笹本でした。
 合評の後、「まがね」59号の校正を行いました。

民主文学5月号の合評を行いました。

「その、とある一夜」横田昌則
 神奈川県で起きた障害者施設襲撃事件をモチーフに、ある障害者グループホームに起きた嫌がらせと思われる出来事を描いている。
 主人公は事件の犯人に憤りながらも、一方で犯人も社会から阻害された被害者なのではないかとも考え、迷っている。この描き方がいい。
 しかし、施設の近くに住む引きこもりの男に同情しつつも、その男を嫌がらせの犯人のように決めつけているようにも読めて、疑問を感じた。
 主人公たちの行動は「まともさ」を感じさせ、安心感を持って読めるのだが、そこがもの足りなく感じるところでもある。
上地と合田の視点が混乱するところがある。登場人物としてこの二人を分ける必要はないのではないか。また施設側の組織と人物関係がわかりにくく、省いた方が良いという意見もあった。
まとまりのある作品で文章も手慣れている感じがする。会話が今風で自然。
特に冒頭の文章は緊迫感があって引き込まれるのだが、その後の文章の軽さとの違いに戸惑ったという感想があった。一方で、冒頭の文章はわざと大げさに書いているもので、作者のユーモアを感じるという意見もあった。

「労働災害」小西章久
 非正規の校務員に起きた労災事故を通して、非正規労働者の置かれた理不尽な現実を告発している。
 背景説明のためなのだが、導入部が現在、二年前、両親が亡くなった頃、と時間が遡るため読みにくい。ただ、主人公の過去の話については無駄ではないかという意見と、人となりがわかって実在感を高めているという意見があった。
 文章が良く。人物がよく描けている。書く立場になると年齢を書くのは躊躇するところだが、はっきり書いてあるので人物像がわかりやすい。
方言を交えた会話が上手く、話者の表情まで想像させる。
 保身のためのかけひきがおもしろいという感想があった一方で、通俗的であまり新鮮みがないという意見もあった。
教育委員会が主人公を公務災害補償基金に加入させていなかったということが明らかになる。この件の強烈さが非正規労働者をめぐる象徴的な出来事として効いている。


受贈紙誌
 支部月報404号(仙台支部) 東京南部ニュース第564号(東京南部支部)