7月例会のご案内と5月例会のご報告

7月例会のご案内
日時 7月22日(日) 13時~16時
場所 吉備路文学館 2階研究室

内容
 まがね60号の発送作業を行ないます。
 合評 「水滴」目取真俊(第117回芥川賞受賞作品)
     文春文庫 単行本は文藝春秋社刊(いずれも古本しかないようです)
※日程の都合で6月例会は行ないません。


5月例会のご報告
 6月2日、13時から吉備路文学館で例会(5月分)を開催しました。参加は妹尾、石崎、桜。井上、笹本でした。
 笹本から全国研究集会参加の報告がありました。
 「まがね」60号の準備状況を確認しました。掲載料は冊子1ページあたり700円に決定しました。小説の場合、執筆者の負担は今までの3分の1程度となります。次号以降の掲載料は別途検討します。

民主文学新人賞作品の合評を行ないました。
「バードウォッチング」田本真啓(第15回新人賞)
 哲学的な内容が多くてわかりにくいという感想があったが、とてもおもしろかったという感想もあり、好き嫌いが分かれた。
 人物造形が細かく、過去の祖母の姿はよく描かれている一方で、現在の祖母の姿が見えないという意見や、理屈に強そうなヤマネコさんが終盤で「難しいことはよくわからんが」と逃げるところに違和感があるという意見もあった。
 ベタなリアリズムとはかけ離れたおもしろさがある。介護や家族をめぐって、倫理観、優しさなどのキーワードが出てくるが、どれが正解ということでもなく曖昧なまま終わる。そこが良いところだが、好みが分かれるところでもあるという意見があった。

「奎の夢」梁正志(佳作)
 完成度は「バードウォッチング」より高いのではないかという感想があった。重いテーマで、100枚程度では描ききれないのではないかという意見があった一方で、冒頭の描写が長すぎるとか無駄な場面があるという指摘もあった。
 選評で視点の問題が指摘されていたが、気にならなかった。下宿の主人や妻、警察官がよく描けているという感想があった。
 史実とフィクションが混ざっていてその境目がわからないが、よく調べて書いていると思うという意見と、いくつかの記述について事実としては疑問があるという指摘もあった。


全国研究集会のご報告
 5月26~27日に愛知県豊橋市で民主文学の全国研究集会が開催されました。参加は26都道府県、111名でした。
 「民主主義文学の多様な発展に向けて」という全体テーマでシンポジウムと分散会が開催されました。シンポジウムでは、作品の評価は手法やジャンルではなく、人間の真実にせまる内容になっているかどうかが問われるということが強調されました。
 分散会「今日の職場の変化を描く」に参加しました。自身の経験したことだけでなく、丹念に
取材をして創作していることなどが語られ、たいへん刺激になりました。
笹本敦史

受贈紙誌

 「支部月報」417号(仙台支部) 「東京南部ニュース」577号(東京南部支部)
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5月例会のご案内と4月例会のご報告

5月例会のご案内

日時 6月2日(土)13時~16時
都合により6月に開催します。
場所 吉備路文学館2階研究室
内容 民主文学新人賞作品の合評
新人賞「バードウォッチング」田本真啓
佳作 「奎の夢」梁正志


4月例会のご報告
 4月28日、吉備路文学館で例会を開催しました。参加は妹尾、石崎、桜、井上、笹本でした。

合評を行ないました。
「光射す方へ」橘あおい(民主文学5月号)
 文章が良く、読みやすいという感想が多かった。
 短い作品にしては登場人物が多く、わかりにくい。全体に出来事の羅列になっていて、テーマがぼけているのではないかという意見があった。

「百年泥」石井遊佳(第158回芥川賞受賞作)
 読みにくいという感想もあったが、まとまりがなさそうで、読み終わると作品としてまとまっているという意見もあった。
 IT先進国である一方で古い風習が残っているインドの実情が象徴的に描かれている。登場人物が個性的で、作品全体にユーモアがある。言葉を話せない母と言葉を教える仕事をしている娘という対比が興味深い。などの感想が出された。

受贈紙誌
「りありすと」79号(東京南部支部) 「東京南部ニュース」576号(東京南部支部)
「流域通信」179号(埼玉東部支部) 「東くるめ通信」75号(東久留米支部)
「支部月報」416号(仙台支部)

4月例会のご案内と18年度総会のご報告

4月例会のご案内
日時 4月28日(土) 13時~16時
場所 吉備路文学館

内容
 合評
   「百年泥」石井遊佳(第158回芥川賞受賞作)
   「光射す方へ」橘あおい(民主文学5月号)
    「まがね」60号の編集作業

18年度総会のご報告
 3月18日、吉備路文学館で18年度の総会を開催しました。参加は妹尾、石崎、桜、井上、笹本でした。
 事務局から17年度活動の報告、18年度活動の方針、会計から17年度の状況について報告があり、確認されました。

 役員については以下の通り確認されました。
  支部長 妹尾倫良   事務局長 笹本敦史   編集長 石崎徹
  会計 井上淳     編集次長 桜高志

合評を行ないました。
「おらおらでひとりいぐも」若竹千佐子(第158回芥川賞受賞作)
 冗舌だがリズムが良くユーモアのある文章で、構成もよくねられているという感想が多かった。見事な文章がある一方で、方言がわかりにくく、一字一句を追うと難しいという感想もあった。
始めは内省的で理屈をこねているような文章が東北弁(厳密に言えば東北弁という方言はないのだろうが)で書かれ、ストーリーが展開すると標準語が多くなる。思いを表わすのは標準語ではないということなのだろう。
宮沢賢治や平家物語からの引用、地球の歴史の記述などに教養を感じる。夫婦愛に感動したという感想があった。

受贈紙誌
文学なにわ29号(なにわ支部) 東京南部ニュース第574号・575号(東京南部支部)
東くるめ通信NO,74(東くるめ支部) 支部月報414号・415号(仙台支部)
流域通信第178号(埼玉東部支部) 道標168号(岡山詩人会議)

18年度総会のご案内と1月例会のご報告

18年度総会のご案内
日時 3月18日 13時から16時
場所 吉備路文学館

内容
 17年度のまとめと18年度方針報告
 17年度決算報告
 18年度役員選出
 総会後、合評を行ないます。
 「おらおらでひとりいぐも」 若竹千佐子(第158回芥川賞受賞作)
  文藝春秋三月特別号に掲載 河出書房新社から単行本も出ています。

※2月は例会を行ないません。

1月例会のご報告
 1月28日(日)13時から吉備路文学館で例会を開催しました。参加は妹尾、石崎、原、井上、笹本でした。

「民主文学」2月号の合評を行ないました。
「四歳の記憶と十二歳の記憶」とうてらお
 重すぎて気が抜けないという感想が良い意味でも悪い意味でも出された。戦争を経験した人が少なくなってきている現在、経験した人が書かなければならない作品だという意見があった。
 兄弟の記憶の違いということを題材にしている。そのことがミステリー的な展開を生み、読者を引きつける効果につながっているのだが、単にテクニックとしてではなく、記憶というものの本質を問いただす内容になっているという指摘があった。
次兄のことが展開上まったく書かれていないのだが、そこにも記憶と現実の齟齬を表わしているようにとれるという指摘もあった。
 抑え気味の筆致で理性的に書いているところに説得力を感じるという感想もあった。

「お赤飯」大石敏和
 良い作品だと思ったという感想が多かった。
異質なものを排除したがるのは日本人にありがちなことだが、主人公のお母さんが事実をもってきちんと諭す。そこに救いを感じたという感想があった。

「源流」矢嶋直武
 もっと展開するのかと思ったら、あっけなく終わったという感想もあったが、テレビドラマ的に一歩引いたところで書いていて読みやすいという意見もあった。
 いろいろ書かれているエピソードを通じて、時代背景やこの高校のあり様が浮かび上がる。3人の若い教師のキャラクターが生き生きと描かれているという感想があった。卒業した生徒が遊びに来ることができる学校にしなければならない、というところに作品の主題があるのではないかという意見があった。
 タイトルについては内容にあっていないという意見が多かった。


お知らせ
「民主文学」3月号に妹尾さんが書かれた三宅陽介さんへの追悼文が掲載されています。
「まがね」60号の原稿締め切りは3月末です。

受贈紙誌
「弘前民主文学」160号(弘前支部) 「支部月報」413号(仙台支部) 
「流域通信」177号(埼玉東部支部) 「東くるめ通信」(東久留米支部)
「東京南部ニュース」573号(東京南部支部)

1月例会のご案内と12月例会のご報告

1月例会のご案内
日時 1月28日(日) 13時~16時
場所 吉備路文学館 2階 研究室
内容 民主文学2月号の合評

とうてらお「四歳の記憶と十二歳の記憶」
大石敏和「お赤飯」
矢嶋直武「源流」

12月例会のご報告
 12月16日(土)13時から、倉敷市本町のアヴェニュウで例会を行いました。参加は諸山、妹尾、石崎、原、井上、笹本でした。全員で先月亡くなられた三宅陽介さんに黙祷を捧げました。

<民主文学12月号(支部誌同人誌推薦作特集)の合評を行いました>
 評論を除く入選作について参加者の気に入った作品を出しあいましたが、4作に分かれました。
 
「ホコリの塊」宮波そら(優秀作)
 現在の図書館や司書の事情を取り上げていて興味深く読んだ。文章がうまいという感想が出された。
一方で、山場がなく、時間の流れがわかりにくい。人間よりも社会問題を描いているようだ、という意見もあった。主人公が優等生すぎてつまらない。また、書いている世界がせまいという指摘もあったが、異論も出された。

「こむニャンコ」田中恭子
 コムニストの猫という話から父親の話への展開が読ませるという感想が出された。
 祖母と娘、孫というよくある人物設定で、作者(70歳代)から年の離れた孫の視点で書くということに挑戦している点は良いが、途中から祖母が主人公になってしまっているという指摘があった。

「落穂拾い」横田玲子
 書き出しの部分など自然描写がすばらしい。リサイクルショップでの買い物の場面が切なく、感動した。孫が農業に目覚めるラストは読後感が良い、という感想が出された。
文章表現の問題点がいくつも指摘された。また同窓会の話と孫の話がうまくつながっていないのではないかという意見もあった。

「午後のひととき」荒川昤子
 高齢者の恋という問題を扱っていて身につまされるという感想があった。他の作品と比較すると、一つのテーマで作品を書ききっているところに作者の力を感じるという意見が出された。


<「まがね」60号について話し合いました>
 印刷会社の変更、配本の見直し等によって、掲載料の大幅引き下げを行なうこと、三宅陽介さんの追悼特集を組むこと、原稿の締め切りは3月末とすることが確認されました。
 
受贈紙誌
 「支部月報」412号(仙台支部)  「東京南部ニュース」572号(東京南部支部)  「道標」167号(岡山詩人会議)